イヌサフラン科
Colchicaceae de Candolle nom. cons.
Synonyms: Bulbocodiaceae R. A. Salisbury, Burchardiaceae Takhtajan, Compsoaceae Horaninow, Merenderaceae Kral, Uvulariaceae Kunth nom. cons.
種子植物 被子植物 単子葉類 ユリ目
球茎または根茎をもった多年生草本。ときにつる草。茎や葉に導管を欠く。根の導管は階紋肥厚をもつ。二次成長しない。 葉は互生、ふつう螺生だがときに2列生。ふつう葉柄を欠く。単葉、全縁、托葉を欠き、基部は葉鞘となる。平行脈。気孔は不規則型。 染色体数は n = 5-12、基本数は11。 花序は多様。花は両性、放射相称、ときにやや左右相称、3数性。花被片は1輪 (e.g. Wurmbea) または2輪で6(ときに8)枚、離生または合生、瓦重ね状。花被片は花弁状。 雄しべは6個、1輪 (e.g. Wurmbea) または2輪 (3+3)、離生、ときに花被片に合着、まれに合糸雄しべ。葯は腹着または底着でしばしば丁字着、ふつう外向葯ときに側向葯 (まれに内向)。葯は縦裂開。花粉は単溝粒。 心皮は3または4、合生、輪生。花柱はときに分裂、柱頭は乾性または湿性。子房上位。各心皮に2〜多数の倒生胚珠があり、中軸胎座。ふつう胚珠は単珠皮性で薄層珠心。 蜜腺は花被片または雄しべ基部 (e.g. Colchicum) にある。虫媒花。 果実はさく果(ふつう胞背裂開、ときに胞間裂開)。種子は毛や翼を欠く。種皮は褐色(ファイトメラニンを欠く)。内胚乳は油性。胚は直線状、子葉はbifacial、光合成能をもつことがあり、hypocotylはない。 フラボンをもつ。サポニン、フラボノール、プロアンソシアニジン、エラグ酸を欠く。シュウ酸塩の砂晶をもつが、束晶を欠く。ふつうアルカロイド(コルヒチンなど)をもつ。イヌリンが報告されている。 南米をのぞく温帯域〜熱帯域に分布し、特に南欧から北アフリカおよび南アフリカに多い。15属245種ほどが知られる。伝統的にはユリ科に分類されていた。以下のリストのように5連に分けられているが、ブルカルディア連は側系統群かもしれない。またPetermannia F.Muell. は初期の分子系統学的研究の結果からイヌサフラン科に分類されていたが、これは誤同定のためであり、実際にはイヌサフラン科+ユリズイセン科+ルズリアガ科の姉妹群であるらしい。 イヌサフランやキツネユリ、サンダーソニア、チゴユリは観賞用として栽培されることがある。
|