有胚植物 維管束植物 種子植物 被子植物 スイレン目
ヒダテラ科 HydatellaceaeHamann nom. cons.

沈水性または挺水性の一年生草本。水底に根を伸ばす。二次成長をしない。 導管をもち、導管要素末端には階段穿孔がある。 葉は細長く長さ 5 - 40 mm。葉は互生、螺生し、根際に叢生する。単葉。epulvinate。無柄。托葉、葉鞘を欠く。葉身は全縁、線形、単一脈系。ときに基部分裂組織をもつ (?)。気孔は不規則型。葉肉には粘液細胞、蓚酸カルシウム結晶を欠く。

花は単性花、雌雄同株。蜜腺を欠く。水媒または自家受粉。茎頂に小穂状または頭状の花序(偽花)を形成し、2~4(~6)枚の総苞片に囲まれる。各花は苞、花被を欠く。雄花は1個の雄しべをもつ。花糸は細長い。葯は縦裂開する。葯は内被を欠く。花粉形成は連続型。花粉はテクタム性、単溝粒。雌花は単心皮性の雌しべを1個もつ。心皮には3本の維管束が入る。雌しべ先端に房毛 (柱頭?花柱?) をもつ。子房上位。頂生胎座に1個の倒生胚珠をもつ。外珠皮、内珠皮とも2細胞層。外珠皮はフード状。珠孔は両珠皮性。厚層~偽厚層珠心。nucellar cap あり。

果実は袋果 (維管束に沿って3裂) または痩果で1個の種子を含む。内胚乳形成は造壁型。成熟時に内胚乳をほとんど失われ、デンプン質の外胚乳をもつ。胚は未分化。

2属 (Hydatella, Trithuria) 10種ほどが知られる。インド、オーストラリア、ニュージーランドに分布する。以前は単子葉植物カツマダソウ科に分類されており、また rbcL 塩基配列比較からイネ目とされたこともあった (試料混入?)。しかし最近になって分子系統学的研究からスイレン科などに近縁であることが示された。