[根子岳山頂付近]
ゴゼンタチバナ 御前橘
Chamaepericlymenum canadense (L.) Aschers. et Graebn.
真正双子葉類 キク目群 ミズキ目 ミズキ科 ゴゼンタチバナ属

北海道・本州(中部以北および奈良県)の温帯域に分布。亜高山帯の針葉樹林内に生える常緑多年草。根子岳山頂付近の岩場近くに多く見られる。茎は高さ 5〜20 cm、ほとんど無毛。花がつく茎では6枚、つかない茎には4枚の葉が輪生状につく (実際には節が詰まった対生)。葉は広楕円形、2〜8 x 1〜2.5 cm、無毛またはまばらな伏毛があり、2〜3対の側脈が目立つ。主な葉の他に、茎中部に1対の小葉、茎基部に小さな鱗片葉がある。

花期は6〜8月。花弁状の白い構造はドクダミ(ドクダミ科)やヤマボウシ(ミズキ科)と同様の総苞片で、1個の花序が1つの花のように見える。花は小さく、20〜30個が集まって4枚の総苞片の中央につく。総苞片はふつう白色、広卵形、長さ 0.7〜2.5 cm。がく片は4個、合生、がく歯は広三角性。花弁は4個、卵形、長さ1〜1.5 mm、緑白色。雄しべは4個。雌しべは1個、2心皮性、子房下位、2室。果実は核果、球形、直径 5〜7 mm、赤く熟す。