カントウタンポポ 関東蒲公英
Taraxacum platycarpum Dahlst.
真正双子葉類 キク目 キク科 タンポポ属

関東から静岡、山梨県に分布。路傍や草原などに生える多年草。セイヨウタンポポに比べると遥かに少ないが、学内でも散見される。葉はすべて根生し、長さ 20~30 cm、幅 2.3~5 cm の倒披針形で羽状に深裂する。茎葉はない。

花期は3~5月、高さ 15~30 cm の花茎の先に直径 3.5~4 cm の黄色い(ときに薄黄色)頭花をつける。頭花は舌状花だけからなる。花茎は分枝せず、花後に一旦うなだれるが、後に再び立ち上がってさらに伸長する。総苞片は長さ 1.5~2 cm、狭卵形から広披針形、内外片とも直立し、上部に角状突起がある(下写真)。総苞外片長は内片長の1/2程度。舌状花の花冠裂片の先に5歯がある。下位痩果は長さ 3 mm ほど。先端は嘴状に長く伸び、先端に冠毛がつく。

類似種としてセイヨウタンポポがあるが、総苞の外片が反り返ること、花がより密であることなどで分けられる。ただし近年ではカントウタンポポとセイヨウタンポポの雑種個体も多いらしく、中間的な形態を示すものも見られる。

タンポポ類は食用(要灰汁抜き)や民間薬とされることがある。タンポポの語源にはいくつかの説があり、花茎を切ったものの両端にいくつか切れ目を入れるとそれが巻き上がって鼓のような形になるため鼓の音に由来する、または多数の果実が集まった様子がタンポ(丸めた綿を布でくるんだもの)に似ているためタンポ穂に由来する、などがある。タンポポ類の英名は "dandelion"(ライオンの歯)であり、葉の形に由来する。