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セイヨウタンポポ
西洋蒲公英
Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg.
真正双子葉類 キク目 キク科 タンポポ属
ヨーロッパ原産の多年草。明治期に渡来し、現在都市部では最もふつうに見られるタンポポであるが、実際には在来種タンポポ(カントウタンポポなど)との雑種も多いらしい。葉はすべて根生し、長さ 20〜30 cm、さまざまな程度に裂ける。茎葉はない。 花期は基本的に3〜6月だが、夏から秋にも散発的に花をつけ、冬に見られることさえある。葉腋から高さ 15〜30 cm の分枝しない花茎を出し、先端に直径 3.5〜5 cm の黄色い頭花を1個つける。総苞外片はつぼみのときから反り返っている(中写真)。頭花は両性の舌状花のみからなる。舌状花の花冠裂片の先に5歯がある。下位痩果は灰褐色で長さ 3 mm ほど、先端は嘴状に細長く伸び、その先に羽毛状の冠毛がつく(下写真)。三倍体であり、無配生殖をするため受粉は必要ない。 在来種のタンポポ(カントウタンポポなど)は総苞の外片が反り返らないことで見分けられる。ただし近年では在来種とセイヨウタンポポの雑種個体も多いらしく、中間的な形態を示すものも見られる。また最近ではセイヨウタンポポに酷似した帰化種のアカミタンポポ(T. laevigatum)も増えているらしい。アカミタンポポは果実が赤褐色である点で見分けられる。 三倍体であるためふつう正常な減数分裂ができず、形成された花粉の大きさも不揃い。しかしまれに正常な花粉が形成されることもあり、これが在来種に受粉して雑種が形成される。 |