カラスノエンドウ 烏野豌豆
Vicia sativa L. subsp. nigra (L.) Ehrh.
真正双子葉類 マメ目 マメ科 ソラマメ属

路傍や草原にふつうに見られるつる性の越年草ときに一年草。葉は8〜16小葉からなる複葉で、先端の1〜数小葉は巻ひげになる。小葉は長さ 2〜3 cm の狭倒卵形で先端は窪む(この形からヤハズエンドウともよばれる)。托葉は2裂し、各裂片は三角形。托葉に花外蜜腺があり、アリが集まる。

花期は3〜6月。葉腋に長さ 1.2〜1.8 cm の花が1〜数個つく。萼は合萼で5つのほぼ同長の裂片がある。萼裂片の長さは合着している部分よりも短い。花冠は紅紫色で蝶形花冠、花弁は5枚(旗弁・翼弁×2・竜骨弁×2)。 雄しべは10個で、基部で合着して二体雄ずいを形成する。雌しべは1個、1心皮。花柱上部に長毛が多い。果実は豆果で斜上し、熟すと黒色(カラスノエンドウの名の由来)、長さ 3〜5 cm の広線形、5〜10個の種子をもつ。熟すと種子をはじき飛ばす。種子は球形で直径約 3 mm、褐色で黒い斑紋がある。