日本全土の路傍や草地でふつうに見られる越年草、または一年草。史前帰化植物とされる。学内ではコハコベより少ない。高さ 15〜50 cm で立ち上がる感じ。茎はふつう緑色、片側に１列に並んだ毛がある。葉は長さ 1.5〜2.5 cmの卵形、対生する。

花期は3〜5月、直径 6〜7 mm の花をつける。萼片は５枚。花弁は白色で５枚だが、基部まで深く裂けるため10枚に見える。花弁は萼片より短い。雄しべの数は8〜10個。雌しべは１個で花柱は3本。果実はさく果で６裂、最初は下垂して後に立ち上がる。種子は直径 1.5 mmほどで、円錐状の突起がある。

類似種のコハコベは横に這う感じであることが多く、茎はふつう暗紫色を帯び、葉は小さく、雄しべは1〜7個、種子は直径 1 mm ほどで半球状突起がある。

単にハコベとしたときには本種のこと、もしくはコハコベと本種を併せてハコベとよぶ。春の七草の「はこべら」はおそらく本種。