ノアザミ 野薊
Cirsium japonicum Fisch. ex DC.
真正双子葉類 キク目 キク科 アザミ属

本州から九州に分布。草原に生える多年草。人里では最もふつうに見られるアザミ。茎は下部で分枝して直立、高さ 50〜100 cm。冬期にはロゼットで過ごす。根生葉は花期にも残り、羽状に中裂。茎葉は鋭い棘が多く、基部は茎を抱く。

花期は5〜8月。茎の先に直径 4〜5 cm の紅紫色(まれに白色)の頭花を上向きにつける。総苞は直径 2〜4 cm の球形、総苞片は6〜7列、反り返らず、粘液を出して粘る。これはアリによる盗蜜を防ぐためだと考えられている。頭花はすべて筒状花からなる。花冠は長さ 18〜23 mm、先端は5裂。雄しべは5個で集葯雄しべ。雄性先熟、雄性期の花を刺激すると花糸が縮んで花柱にある集粉毛によって花粉が押し出される。花粉を出し終わると雌性期に入って花柱が伸長して先が分かれる。果実は下位そう果。冠毛は白色、羽毛状、果実から脱落しやすい。