ノゲシ 野罌粟
Sonchus oleraceus L.
真正双子葉類 キク目 キク科 ノゲシ属

日本全土に分布し、路傍や畑にふつうに生える越年草または一年草。ヨーロッパ原産で日本には有史以前に入ってきたと考えられている。ふつうロゼットで越冬し、春に茎を伸ばす。高さ 50〜100 cm。茎は中空で多数の稜があリ、切ると白い乳液が出る。葉は柔らかく、長さ 15〜25 cm、羽状に裂ける。葉縁の鋸歯はしばしば刺状に尖るが、触っても痛くない。葉の基部は三角状に張り出して茎を抱く。

花期は4〜7月。枝先に直径 2 cm ほどの黄色い頭花をつける。総苞は長さ 1.2〜1.5 cm。花柄と総苞にしばしば腺毛がある。頭花は密に集まった多数の舌状花からなる。花後に総苞が膨れて痩果が熟すと反り返る。花冠舌部の長さは筒部とほぼ同長。冠毛は白色、無柄、長さは果実の約2倍。下位そう果は狭倒卵形で扁平、長さ約 3 mm、縦脈と横皺がある。

アキノノゲシ(Lactuca indica)に対してハルノノゲシとよばれることもある。類似種のオニノゲシは葉が剛強で刺を触ると痛い点、葉表につやがある点、葉の基部が丸く張り出す点、そう果に横皺がない点などで区別できる。 ただし中間的な特徴を示す雑種(不稔)も存在し、アイノゲシ(S. oleraceus x asper)とよばれる。