オニノゲシ 鬼野罌粟
Sonchus asper (L.) Hill
真正双子葉類 キク目 キク科 ノゲシ属

ヨーロッパ原産で明治期に渡来した帰化植物。路傍や荒れ地に生える越年草または一年草。ふつうロゼットで越冬し、春に茎を伸ばす。高さ 50〜100 cm。茎は中空で多数の稜があり、切ると白色の乳液が出る。茎上部には腺毛がある。葉は長さ 15〜25 cm、無毛、濃緑色で表面に光沢があり、羽状に裂ける。葉縁の鋸歯は刺状に尖り、触ると痛い。上部の葉は分裂しない。下部の葉は無柄、基部は丸く張り出して茎を抱く。ときに赤味を帯び、特に中軸はふつう赤い。葉脈は裏面に突出する。

花期は4〜10月。枝先に直径 2 cm ほどの黄色い頭花をつける。総苞は長さ 1.2〜1.5 cm、刺がある。花柄と総苞にしばしば腺毛がある。頭花は密に集まった多数の舌状花からなる。花冠舌部の長さは筒部のほぼ 1/3。冠毛は白色、無柄、長さは果実の約3倍。下位そう果は楕円形で扁平、長さ 2〜3 mm、褐色、縦脈があるが横皺を欠く。

類似種のノゲシは葉が軟弱で刺を触ってもいたくない点、葉の基部が三角状に張り出す点、そう果に横皺がある点などで区別できる。 ただし中間的な特徴を示す雑種(不稔)も存在し、アイノゲシ(S. oleraceus x asper)とよばれる。