オニタビラコ 鬼田平子
Youngia japonica (L.) DC.
真正双子葉類 キク目 キク科 オニタビラコ属

日本全土に分布。路傍や庭にふつうに生える越年草または一年草。冬はロゼットで過ごし、春に茎が伸長、高さ 20〜100 cm。全体に柔らかくふつう毛が多い。根生葉はロゼット状、8〜25 x 1.7〜6 cm、頭大羽状に深裂〜中裂する。頂裂片は三角状卵形で先は丸い。茎葉は少なく、下部の葉は根生葉に比べて先が尖り、上部の葉は小形で褐紫色を帯びることが多い。

花期は5〜10月。茎の先に直径 7〜8 mmの黄色い頭花を散房状につける。総苞は円筒形で長さ 4〜5 mm、内片は1列にならび、外片は小さい。頭花は多数の舌状花からなる。花後に総苞基部が膨れて痩果が熟すと反り返る。冠毛は白色。

オニタビラコは個体変異が著しいが、以下の2型に分けられるとする説がある。アオオニタビラコの方が都市環境に多いとのことである。

アカオニタビラコ
二年草、花期は4〜5月に限られる
花茎はふつう1本、茎葉がつく
植物体が大きく、花茎は長く伸びる
花茎は赤みを帯びる
根生葉は柔らかく、赤みを帯びる
アオオニタビラコ
多年草
花茎はふつう多数、茎葉はつかない
植物体が小さく、花茎は低い
花茎は赤みを帯びない
根生葉は濃緑色、赤みを帯びない

昔は食用としたこともあったらしい。「田平子」(コオニタビラコのこと)は田んぼで平たく広がった形を示し、ロゼットのこと。茎に Protomyces inouyei(子嚢菌門)が寄生して変形していることがある。