1, 2. Thalassiosira lacustris. 3, 4. T. faurii (?). 被殻 (殻面). 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 ニセコアミケイソウ目 ニセコアミケイソウ科
タラシオシラ属(ニセコアミケイソウ属)
Thalassiosira Cleve 1873, Bih. Kongl. Svenska. Vetensk.-Akad. Handl. 1: 6.
Type species: Thalassiosira nordenskioeldii Cleve 1873
Synonym:

細胞は円盤状〜円筒状、単体性または粘液糸によってつながった鎖状群体になる。寒天質内に多数の細胞が集まったパルメラ状群体を形成する種もある。殻高が小さいため、ふつう殻面が観察される。殻面は円形、平坦または大きく波打つ (図1)。殻面と殻套の境界は明瞭または連続的で不明瞭。胞紋列は射出、束出または正接。胞紋はふつう小箱胞紋、外側は丸い箱口で開口し、内側は多孔篩板で閉じられている (EM)。殻面縁には肥厚部や棘が存在することがある。殻面縁にはふつう外管をもった有基突起輪が存在する。ときに殻面にも有基突起が散在または特定の箇所に集中して存在する。有基突起の内管の長さはさまざま (EM)。周縁有基突起輪の中、またはそのやや内側に唇状突起が1個存在する。唇状突起の外口部の形態も様々 (EM)。唇状突起が殻面中央付近に存在する種もある。帯片は多数、開放型、小舌あり。接殻帯片は他の帯片にくらべて明瞭な小室をもつ。葉緑体は盤状でふつう多数。

100種以上が知られる大きな属。典型的な非A群であり、明らかに多系統群 (Kaczmarska et al. 2006)。

ほとんどは海産であり、非常に普遍的に見られる。一部は淡水域にも生育する。多くはプランクトン性。霞ヶ浦では T. lacustrisT. faurii がみられた。

参考文献 References