lysine 合成系 |
卵菌類は原核生物,藻類,陸上植物と同じDAP経路でlysineを合成するが,真菌類は動物と同じくAAA経路により合成する。 |
細胞壁成分 | 卵菌類はグルカンと少量のセルロースで壁をつくるが,真菌類はキチン,キトサンとグルカンで形成する。 |
ステロール | 卵菌類はコレステロールあるいはalkylidine chresterolを合成するのに対して真菌類はエルテゴステロールを合成する。エルテゴステロールを合成しない卵菌類は昆虫との共生を達成していない。 |
Acyclic Polyol | 卵菌類は合成しないが真菌類は合成する。 |
Peronosporimycetidae 単心性か菌糸。無性生殖は多様。卵胞子形成は求心的。多くは一卵性。卵胞子は半透明の内容をもつ。硫酸イオンを利用できず,無機窒素源の利用能力はさまざま。 5目。 |
||
Leptomitales |
淡水あるいは湿った土壌に生息する腐生菌。菌糸は規則的にくびれ,cellulin顆粒をもつ菌糸からなる。原形質流動は顕著。遊走子は乳頭状放出管経由で放出。胞嚢は形成しない。遊走子嚢は頂生。生卵器は薄膜,滑壁。多くは一卵性で卵で満たされる。周辺細胞質はない。卵胞子中の貯蔵物質の形態はいろいろ。酸化代謝,しかしアンモニアイオンの利用は部分的。 Leptomitaceae, Apodoachlyellaceaeの2科。 | |
Rhipidiales |
腐生菌で,よどんだ水たまりに多い。単心性の膨らんだ菌糸はくびれと仮根をもつ。遊走子は乳頭状あるいは蓋のある放出管経由で放出される。包のうは無いものと形成するものがある。遊走子嚢は無柄か頂生。生卵器は薄膜か厚膜,滑壁または毛状突起をもつ。多くは一卵性で充満されていない。周辺細胞質は永続性。卵胞子中の貯蔵脂質は微細な小滴。発酵的代謝傾向を示す。 | |
Sclerosporales |
全種がイネ科の寄生菌。非常に細い菌糸からなり,顆粒状の細胞質をもち,細胞質流は幅が広いときだけみられる。遊走子形成は膨らんだ胞子のう柄上で逐次的か同調的に起こる。生卵器は非常に厚膜,一卵性でしばしば卵で充満される。周辺細胞質はわずか。卵胞子中の貯蔵脂質は微細な小粒。 | |
Pythiales |
寄生菌か腐生菌。陸上植物,菌類,動物に寄生する。菌体は菌糸性か単心性で偽菌糸体。細胞質流動はほとんどない。遊走子は遊走子嚢内で形成され包のうがないか,包のうの中で分割形成される。遊走子は乳頭状あるいは蓋のある放出管経由で放出される。包のうは無いものと形成するものがある。遊走子嚢は頂生または逐次的。入れ子状か菌糸の中間か仮軸分枝状に伸びながら形成。胞子のう柄はほとんど未分化。生卵器は薄膜,通常一卵で生卵器内は卵で充満される。周辺細胞質はわずかで非永続性。卵胞子中の貯蔵脂質は微細小粒。ステロールの前駆物質の一部を外部からの供給に頼っていることが知られている。 Leptolegniellaceae, Lagenidiaceae, Pythiaceaeの3科。 | |
Peronosporales |
双子葉植物の寄生菌。菌体は菌糸体で寄主の細胞間隙に棲み,吸器を形成する。遊走子または分生子で増殖。胞子のう柄や分生子柄はよく発達。生卵器は薄膜。卵胞子は通常一卵で生卵器を充満せず,周辺細胞質起源の外壁をもつ。卵胞子中の貯蔵脂質は微細粒子。おそらくステロールを外部からの供給に頼っている。 Peronosporaceae, Albuginaceaeの2科。 | |
Saproleniomycetidae 菌体は菌糸体。遊走子を形成する。卵胞子形成は遠心的。多卵性のことが多い。卵胞子は顆粒を含む液体の内容物をもつ。硫酸イオン,硝酸イオンともに利用できない。 |
Saprolegniales |
大半は淡水,土壌中の腐生菌,あるものは植物,動物,菌類の絶対寄生菌。細胞質流動は顕著。遊走子は乳頭状あるいは蓋のある放出管から放出されるか,または遊走子嚢の崩壊で分散する。包のうは形成されない。遊走子嚢は逐次的,入れ子,または仮軸状。生卵器は厚膜,乳頭突起やピットをもつ。多くは多卵性で細胞質はほとんど残らない。卵胞子中の貯蔵脂質はいろいろな形状。 Saprolegniaceae1科。 |