[ストラメノパイル] [黄色植物] [褐藻綱] [黄緑色藻綱] [黄金色藻綱] [珪藻綱] [ラフィド藻綱] [真眼点藻綱] [ディクティオカ藻綱] [ペラゴ藻綱] [パルマ藻類] [葉緑体をもたないストラメノパイル] [卵菌類] [サカゲツボカビ類] [ラビリンチュラ類] [ビコソエカ類]

黄金色藻綱画像データ
黄金色藻は主として淡水を中心に分布する黄色植物の仲間で,管状マスチゴネマをはじめ,葉緑体が葉緑体ERに包まれ,葉緑体ERは核の外膜と連絡しているなどの基本的構造をもっている。黄色植物を特徴づける性質のほとんどをもつことから,黄金色藻のオクロモナス(Ochromonas)属の細胞は黄色植物全体の基本型として認識されている。しかし,研究が十分に進んでいない黄色の葉緑体をもつ仲間,特に海洋に産する単細胞あるいは組織をもたない体制の単純な黄色植物のほとんど(ペディネラ類,珪質鞭毛藻類,パルマ類,サルシノクリシス類など)も黄金色藻綱に所属するとされる。このために,分類群としての黄金色藻綱の輪郭はあいまいなものになっている。今後の研究が進むにつれて分類系全体の再構成が行われると予想される。

●オクロモナス群とシヌラ群

珪酸質の鱗片の透過型電子顕微鏡写真(Mallomonas) 

黄金色藻綱はオクロモナスの仲間とシヌラの仲間という2つのグループにに分けて考えることができる。これらは光合成色素や細胞構造など多くの点で異なっている。オクロモナスの仲間は黄色植物の典型的な細胞形態を示すとされる。これに対して,シヌラ類では,2本の鞭毛は前方に向けて平行に伸びる,眼点をもたず,したがって眼点−鞭毛複合体を形成しない,収縮胞は細胞後端にあるなどの特徴を示す。さらに細胞表面は二酸化珪素(ガラス)を主成分とする鱗片に被われているという特異な性質を有する。この鱗片は葉緑体ERで形成される。

 オクロモナス群とシヌラ群の比較

オクロモナス群とシヌラ群は鞭毛装置の形態においても著しい違いがみられる。

 オクロモナスの仲間の鞭毛装置の平面図 

シヌラの仲間の鞭毛装置(まだ図を入れていません)

このような多くの違いに基づいて,シヌラ藻はシヌラ藻綱(Class Synurophyceae)として認識されることもある。しかし,系統的にはシヌラ群は特殊化した黄金色藻の仲間と考えられている(黄色植物の18SrDNAの系統をみよ)。多くの差異にもかかわらず,これら2群は管状マスチゴネマが側毛をもつこと,またスタト胞子(statospore)またはストマト胞子(stomatocyst)とよばれる珪酸質の壁をもつ休眠細胞を形成するなどの共通点をもっている。これらの性質は他の黄色植物では知られていない。

スタト胞子(ストマト胞子)

●食作用

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