黄金色藻綱はオクロモナスの仲間とシヌラの仲間という2つのグループにに分けて考えることができる。これらは光合成色素や細胞構造など多くの点で異なっている。オクロモナスの仲間は黄色植物の典型的な細胞形態を示すとされる。これに対して,シヌラ類では,2本の鞭毛は前方に向けて平行に伸びる,眼点をもたず,したがって眼点−鞭毛複合体を形成しない,収縮胞は細胞後端にあるなどの特徴を示す。さらに細胞表面は二酸化珪素(ガラス)を主成分とする鱗片に被われているという特異な性質を有する。この鱗片は葉緑体ERで形成される。
オクロモナス群とシヌラ群は鞭毛装置の形態においても著しい違いがみられる。
シヌラの仲間の鞭毛装置(まだ図を入れていません)
このような多くの違いに基づいて,シヌラ藻はシヌラ藻綱(Class Synurophyceae)として認識されることもある。しかし,系統的にはシヌラ群は特殊化した黄金色藻の仲間と考えられている(黄色植物の18SrDNAの系統をみよ)。多くの差異にもかかわらず,これら2群は管状マスチゴネマが側毛をもつこと,またスタト胞子(statospore)またはストマト胞子(stomatocyst)とよばれる珪酸質の壁をもつ休眠細胞を形成するなどの共通点をもっている。これらの性質は他の黄色植物では知られていない。
スタト胞子(ストマト胞子)
●食作用
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