[分類形質と分類系] [ミトコンドリア] [葉緑体] [細胞外被] [鞭毛] [鞭毛装置] [貯蔵物質]
[分子系統] [藻類の分類系]

葉緑体:紅色植物 Rhodophyta
[原核藻類の光合成装置] [灰色植物のシアネレは葉緑体か] [藍藻に似たもうひとつの葉緑体:紅色植物] [フィコビリンをもち,フィコビリソームをもたない葉緑体:紅藻に由来するクリプト藻の葉緑体] [クロロフィルcとフコキサンチンをもつ葉緑体:ストラメノパイルとハプト藻] [クロロフィルcとペリディニンをもつ葉緑体:渦鞭毛藻] [クロロフィルa・bをもつ葉緑体 緑色植物] [3枚の包膜をもつ葉緑体:ユーグレナ植物] [緑のクリプト藻?:クロララクニオン植物の葉緑体]
藍藻に似たもうひとつの葉緑体:紅色植物

紅色植物門 Rhodophyta

クロロフィル a

次の点で藍藻の光合成装置と類似する。

  • クロロフィルとしてaだけをもつ
  • フィコビリンがフィコビリソームとして存在する


フィコビリソームはフィコシアニンとフィコエリスリンからなる顆粒状の構造で,チラコイド膜の上に配置されている。明反応のための光はフィコビリソームで捕獲され,チラコイド膜に位置する反応中心に送られる。


一般に紅藻ではフィコエリスリンが多いために赤い色にみえるが,一部の紅藻は藍藻と同様に青緑色にみえる。

カロチン α-carotene
β-carotene
キサントフィル lutein
zeaxanthin
フィコビリン

r-(またはb-) phycocyanin
r-(またはb-) phycoerythrin
allophycocyanin
フィコビリソームとして存在


rはRhodophyceaeのr,
bはBangiophyceaeのbのこと

葉緑体の構造

2枚の葉緑体膜に包まれ,その他の外膜をもたない。チラコイドは1重で,表面にフィコビリソームをもつ。

2重膜の葉緑体膜だけをもち,それ以外の外膜をもたないのは,灰色植物,紅色植物,緑色植物だけである。そのほかの藻類では,葉緑体はさらに1枚または2枚の膜に取り囲まれている。

現在,灰色植物,紅色植物,緑色植物だけが最初の共生で葉緑体が獲得された生物の子孫であると考えられているが,まだ証拠は十分でそろっているとはいえない。