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ミトコンドリア(Mitochondrion, 複数はMitochondria)

真核生物における分布を考えると,ミトコンドリアは葉緑体よりはるかに古い時代に獲得された細胞器官だと考えられます。アーケゾアに分類される初期の真核生物の一部を除いて,すべての真核生物がミトコンドリアをもっています。
しかし,藻類の仲間を調べていくと,クリステの形態の異なる3つのタイプのミトコンドリアがあることがわかります。これらは基本的に分類群によって安定であることから,門などの高次の分類群の特徴となっています。これらのミトコンドリアの起源や分化についてはまだわからないことがおおいのですが,藻類の高次分類群の認識に重要な性質であることはまちがいないところです。

ミトコンドリアの三つのタイプ









板状クリステ

管状クリステ

ディスク状クリステ

灰色植物(?)
緑色植物
紅色植物
クリプト植物
ストラメノパイル
ハプト植物
渦鞭毛植物
クロララクニオン植物

ユーグレナ植物

(注)このタイプのクリステはほかでは原生動物のキネトプラスチダ類にのみみられます。ユーグレナ植物とキネトプラスチダ類は,多くの性質の類似から,単系統を形成すると考えられています。くわしくはユーグレノゾアの項を参照してください。